公益財団法人宗桂会は、おかげさまで1993年の設立より、これまでに多岐にわたる活動を行ってまいりました。これもひとえに、財団関係各位の方々や賛助会員のみなさまによるご支援とご指導の賜と深く感謝いたしております。
象嵌(ぞうがん)が日本に伝わった時期については明確ではありませんが、江戸時代には全国各地でさまざまな象嵌技術が栄えました。加賀藩では歴代の藩主に守られながら、職人たちが武具の鐙などを製作し、加賀象嵌の礎を築きました。
しかし今日では伝統的工芸品としての象嵌産地は、金沢、京都、熊本、高岡だけとなり、近代以降、技の伝承が心配されています。幸いにも金沢では、近年象嵌に取り組む人が増えています。
宗桂会では、これからの時代に相応しい創作表現に挑戦する作家たちの活躍を後押しするためにも、加賀象嵌の技術保存および普及などの振興に関わる支援とともに、加賀象嵌のことを理解していただくきっかけづくりを、これからも続けてまいります。