第 19 回

金屋町金属工芸工房
かんか

富山県高岡市金屋町5-15
●0766-25-8550
営業日/月・金・土・日曜日
営業時間/10時〜18時

 高岡鋳物発祥の地として知られる高岡市金屋町。その石畳の続く町の一角に、若手の金属工芸作家たちが中心となり、ショップとギャラリーを兼ねた工房を昨年(2010年)9月にオープンさせました。

 その名は坩堝と書いて『かんか』。 坩堝 るつぼ の中でいくつもの金属が溶け合い、新しい合金が生まれるように、ここ『かんか』に、個々に技術と夢をもった作家たちが集い、それぞれの個性が溶け合って、より高いレベルのモノづくりを目指せる場になれば、との願いが込められています。

 『かんか』の代表を務めるのは、高岡市伝統工芸産業技術者養成スクールで金工を教える造形作家 槻間 つきま 秀人さん。金沢美術工芸大学や養成スクールなどで、一度は槻間さんに学んだことのある作家たちが集まっての立ち上げとなりました。

 現在のメンバーは、20代、30代を中心とした金工作家ほか15名。建物(旧鋳物資料館)は、2005年に公開された映画『8月のクリスマス』(山崎まさよし主演)のロケ地として主に使われた場所で、しばらく映画資料館として活用されていました。

 オープンにあたっては、金屋町内の方たちの理解と協力があってのこと。人口が減る傾向にある金屋町で、高岡銅器の職人街として発展してきたこの地の文化を守り伝える役目も、『かんか』に託されています。

 15人も集まれば、それぞれの個性がぶつかることもあり、調整が大変な面もあったそうですが、それも「成長の過程ですかね」と槻間さん。いろいろな金属が混ざり合うことで、1種類の金属では得られない強度や色が出るように、工房であり金工の作業や工程を知ってもらうための場であり、ギャラリーでありショップであり…と、幅広い活動の場として利用が可能な『かんか』。

 多くの魅力を秘めた『かんか』の未来が、金屋町に"カンカン"と金属を打つ音とともに広がりはじめています。

槻間さんとメンバーのひとり青木さん


工房として利用しているスペース


壁や床の改修工事では、自分たちで修理もしたとか。貸しギャラリーや観光客向けのワークショップも今後すすめたいとのこと


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