第 3 回

坂井 貂聖  
社団法人日本工芸会正会員
日本中国文化交流協会会員
作歴
昭和58年 現代美術展初出品初入選
昭和60年 金沢市工芸展初出品初入選
昭和61年 金沢市工芸展「金沢市工芸協会会長賞」受賞
現代美術展「北國賞」受賞
平成3年 伝統工芸日本金工展初入選
平成4年 日本伝統工芸展初入選
平成8年 石川の伝統工芸展「北國新聞社賞」受賞
平成9年 金沢市工芸展「石川県知事賞」受賞
平成11年 石川の伝統工芸展「名鉄丸越社長賞」受賞
平成13年 金指工芸展「北陸放送社長賞」受賞
平成15年
金沢市工芸展「宗桂会賞」受賞 ほか

加賀象嵌展や金工作家展などで、“駱駝”(らくだ)の図柄が施された加賀象嵌の作品をご覧になったことはありませんか?今回は、その駱駝の図柄といえばこの方、金工作家として活躍中の坂井貂聖さんの工房を訪問しました。

一見、喫茶店か宝石店のような石積みの素敵な建物が坂井さんの工房で、すべて手造りとは驚かされます。築20年になるそうですが、廃材を利用したり、防音効果のために市場から卵入れの箱を調達したり、また当時お子さんも一緒に石積みしてくれた、思い出深い建物でもあります。

坂井さんと加賀象嵌との出会いは、刀剣に興味をもったことにはじまります。もともと東京で金工技術を学び、金沢に帰ってから宝石店に勤務後独立した坂井さんは、刀装具に施された象嵌に引き込まれる魅力を感じ、自ら象嵌の技を修得。これまでの金工・宝飾技術に加賀象嵌という伝統の技法をプラスして、鍛金、接合など仕上げまで自分でこなし、坂井さんならではの世界を生み出しています。「まだまだ自分の作風をひとつに絞り込んではいない」とおっしゃる坂井さんですが、それは、作品に対する表現方法の、無限の可能性を試していらっしゃるようにも感じられました。

打込象嵌花器「天人」駱駝には、地中海を中心に発祥した金工技術がシルクロードを伝って日本にたどり着いた歴史を、今またシルクロードへと繋げていきたいという思いが込められている
ショーウインドウには「セーブル」と書かれたパネルがあり、セーブルとは英語で坂井さんのお名前にもなっている貂のこと
坂井さんの趣味はバイクなのです、すごい!



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