第 21 回

金沢美術工芸大学教授 原 智 氏

【略歴】
昭和37年(1962) 神奈川県横浜市生まれ
昭和60年(1985) 東京藝術大学美術学部工芸科卒業
昭和62年(1987) 東京藝術大学大学院美術研究科修了
横浜アカデミー美術研究所、女子美術短期大学講師、東京藝術大学非常勤講師を経て、平成15年(2003)より金沢美術工芸大学(当時助教授、現教授)へ、現在に至る。

【受賞・出展など】
■瀧冨士美術賞(財団法人日本交通文化協会)
■原田賞/サロン・ド・プランタン賞(東京藝術大学) 
■淡水翁賞(財団法人美術工芸振興佐藤基金)
■世界工芸都市宣言記念賞/金沢市長最優秀賞/石川県知事賞(金沢市工芸展)
■日本工芸会賞(石川の伝統工芸展)など多数受賞
■日本伝統工芸展/日本橋三越本店(東京)
■日本の金工展/デンマーク王立博物館(デンマーク)
■CONTEMPORARY METAL MASTER WORKS展/Onishi Gallery(ニューヨーク)
■現代「日本の金工展」/石洞美術館(東京)ほか多数の展覧会などに出品。

 金沢太陽が丘ニュータウンの閑静な住宅街に、金沢美術工芸大学教授であり金工作家として幅広く活躍されている原 智さんのご自宅と工房があります。

 原さんが金沢美大の工芸科に鍛金を教えるため金沢に来られたのは今から9年前の平成15年。杢目金や一枚絞り技法などの金工技法を駆使した作品として、第63回金沢市工芸展で知事賞を受賞された『鍛金杢目金香炉「亀」』をはじめ、数々の作品を制作されており、最近では象嵌技法を取り入れた「朧銀点文様花器」が第52回石川の伝統工芸展にて日本工芸会賞を受賞されるなど、ひとつの金工技法にこだわることなく、多彩な才能を発揮されています。

 建築分野にも長けた原さんは工房を自ら設計。火を使う作業中心の工房と、金属を叩く鍛金と彫金を行うための二つの工房があります。鍛金用の工房は特に防音に気を遣い、ヒノキ材を木レンガのように敷き詰めた床は振動を吸収してくれるのだそうです。また、壁面を上手く利用して設置された棚は全く無駄がなく、「すっきり機能的」そのもの。最近は、色金を使った象嵌技法で江戸小紋や印伝の文様を表現することに取り組まれているとか。

 今回、原さんの工房とご自宅を訪ねた際、美大の教授として、また作家としての原さんのお顔以外に、とっても優しいお父さんとしての一面も垣間見られたのが印象的でした。


彫金・鍛金作業中心の工房


壁一面が機能的な収納棚に利用されている

火を使う作業中心の工房


当金(あてがね)。レンガ状の床はヒノキ材を使用
 




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